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- 2018.05.20 Sunday
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お待たせしました!
廃墟回です!!
東京にはタワーマンションや林立するビルの隙間に、ぽっかりとゴーストタウンが存在します。
ここは西にミッドタウンや六本木ヒルズ、北に霞ヶ関、東に東京タワー、南に麻布……と都心の超一等地、虎ノ門。
地下鉄の駅を降りるなり、ドラえもん風のネコロボが
『こんにちわ! ぼくトラえもんです!』
と愉快に出迎えてくれます。
『ぼくトラえもんです!
……虎ノ門だからトラえもん……でゅふ……でゅふふふふ』
…………あ゛?
何不自由なく都心の一等地に生まれ落ちたガキが、「ぼくちんユーモア理解しちゃってるんですよ〜」
っていう世の中舐めた大人になると誕生します、こんな場所。
ぼくトラえもんです、とかやってる人間が、手前じゃなくて奥のタワマンに住んでるんだろうな〜。
いいな〜お金持ち。
頭カラッポの方が、札詰め込めるしね。
この土地は再開発を控えているので、さぞや活気に満ちているんだろう。
……と、お思いのあなた、残念不正解です。
この街には人っ子一人いないのです。
住人はすべていなくなりました。
現在この区画では住居の解体工事が進められています。
この写真の景色も、数年後には巨大なビルやタワーマンションで上書きされていくのでしょう。
住居の入り口にはベニヤ板が張られ、警備システムが作動しています。
誰も居ない、住んでない、でも、他人の侵入は許さない。
将来的にお金持ちが使うための、お金持ちのための区域。
東京の歪みを、街全体で表している場所です。
バリケード封鎖された街並み。
歩いているだけで、異様な空気に圧倒されていきます。
静寂に包まれていて、時折遠くから烏の鳴き声だけが響いてくる。
建物の周囲は、金網に囲まれています。
まだまだ使える住宅が、静かに解体を待っている。
触れることは許されず、有効活用はされない。
なぜならここには、お金持ちが住むからです。
では、そのお金持ちのお金は、どこから発生するのでしょう?
まるで売り物のミカンみたいに、廃屋にネットが被せられている。
ミカンと家を同じように扱う、滑稽な姿。
立派な家がある。
でも、ここの住人も立ち退きを迫られたのです。
このガスメーターたちも、もう動くことはない。
さらに立派な家が出現します。
お金持ちも、さらに上のお金持ちに土地を吸い上げられてしまうらしいです。
家を買収された際、歯ぎしりしたのでしょうか?
次に生まれてくるときは、もっとお金持ちに生まれてこないといけませんね。
今現在、ここにはネコとカラスが暮らしています。
無人のマンション。
マンションを追い出して、もっと巨大なマンションを建てる。
なんだか言い表せない矛盾に、背中がむずむずしてきます。
空を見上げれば、東京タワーが見える。
ここはそんな場所。
ゴーストタウンを潰して建てられるタワーマンションは、きっと一部屋8千万円とか1億円とかするのでしょう。
でも、東京に暮らしてるからって、そんなに年収は増えません。
きっとみんな背伸びして、生活をギリギリまで切り詰めて新しく建つタワマンを買うのでしょう。
見上げると東京タワーが映る、この景色を買うために……。
cutlass感想:
今まで色んな廃墟を見てきましたが、ここまで精神的にクる廃墟ははじめてかもしれません。
木造家屋の建つ区画をひとまとめにして、そこをタワーマンション群に変えれば、確かに元の何十倍、下手したら何百倍もの人が住めます。
数字の上では正しいです。
都心一等地ですから、昔から住んでる人を優遇するより、土地を買収して有効活用する方が効果的です。
賢くて、正しいやり方です。
……ですが、なんだか腑に落ちない、やりきれないこの気持ちは……一体なんなのでしょう?
東京の歪みを見たような、そんな廃墟でした。
東京のもう一つのゴーストタウン、中野45番街も行ったのですが……。
一足遅く、タワマンが生えておりました……。
最近の廃墟レポ、こんなんばっかだね。