という訳で、NZの地震から結構経ったので、誰得地震講座です(ぱちぱちぱち。
病院で働いている自覚は限りなく0なのですが(未だに昼寝するためにある場所だと思っています)、一応色々知っている事書いておかないと、自分の存在意義が微妙になるので書いておきます。
地震発生後の生存限界は約3日間だと言われています。
*ガレキや建物の下敷きになった場合。
ここで?なのは、何で3日なのか、という事。
一般的に言われているのは、
・水分摂取無しの場合の生存限界が3日間だから
or
・クラッシュシンドローム(座滅症候群)で心臓が止まるから
の、二つです。
今回は、クラッシュシンドロームについてお話します。
人間の筋肉は破損するとカリウム(K)とミオグロビンと乳酸を放出します。
ミオグロビンは腎臓にある尿細管を詰まらせ、急性腎不全ARF(acute renal failure)を引き起こします。
で、ここからが超重要なのですが、これだけだったら人間は死なないのです!!
問題は、壊死した細胞から放出されたカリウムです。
カリウムの血中濃度が7↑meqくらい(hyperkalemia)行くと、心臓が停止します。
何でかというと、人間の心臓(筋肉)はカルシウムがアクセル、カリウムがブレーキの働きをするからです。
恐らく、筋肉が腎臓詰まらせてから高K血漿引き起こすまでに3日かかるから、そこが生存限界。
・・・・・・え?
高K血漿なると、一体どうなってしまうかって?
震えながら泡吹いて倒れて、そのまま放って置くと死にます。
ただ、倒れた後2〜3時間以内にカリウム下げてあげれば、なんとか持ち直します。
〜対処法〜
ひたすら甘いものを飲ませる!!
これでもかと甘いものを飲ませる!!
理由→ブドウ糖使って細胞にカリウム吸収させるのと、大量輸液と同じように血中Kを薄められる、それと強制利尿効果を狙えるから。
缶コーヒーなんかいいかもね、カフェインは利尿作用あるから。
でも、ガレキから助け出したらちゃんと病院に運んで、治療を受けさせてあげましょう!!
写真は病院っぽいけど、災害用救急車。
この救急車で3台人工透析回せます。
*一般人立ち入り禁止です。